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1)そけいヘルニア(だっちょう)陰嚢水腫
左右の足の付け根にしこりとして気付かれる鼠径ヘルニアは100人のうち2名前後見られる疾患で稀なものではありません。
これは男の子なら陰嚢、女の子なら大陰唇に向かって突出した本来なら閉じてしまうべき腹膜の鞘状突起(図1左が正常発達、右がそけいヘルニア)がそのまま開存するためにその中に腸が脱出して起こるものです。開存口が狭い為、腸の代わりに腹水だけが出たものは陰嚢水腫と呼ばれそけいヘルニアと類似の疾患です。腸が脱出すると時には痛みとか不機嫌などを伴うことがありますが多くは無症状です。しかし、一旦脱出した腸がそけい菅内で圧迫され腹腔内に戻ることができなくなると脱出した腸が腫れて痛みだし時には腸が腐る事もあります(そけいヘルニアの嵌頓)。また女児では卵巣などが脱出すると捻転する危険性もあります。これらから鼠径ヘルニアは見つかった時点で早めの手術が推奨されます。
手術は脱出した腹膜鞘状突起を根部で縛り腸が脱出しないようにする手術です。
現在は腹腔鏡を使用して腹膜内方から腹膜を縛って穴を閉じる方法もあります。
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